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主節は IP-MAT とラベル付けされる。主語(明示的に表されているか否かに関わらない)と述語の対が節を投射する。典型的な場合,1つの節には1つの主たる述語がある。これには,動詞(VB),イ形容詞(ADJI),ナ形容詞(ADJN)+コピュラ(AX),述語名詞句(NP-PRD)+コピュラ(AX),の4種類がある。アノテーションは VP のレベルを設定しない。したがって,IP の構造は平坦で,節のレベルの構成素は動詞や助動詞などと同じレベルに表示される。
(6)
花子が泣いた。
( (IP-MAT (PP (NP;{PERSON} (NPR 花子))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 泣い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 1823_misc_JSeM_beta_150530))
(7)
この料理はおいしい。
( (IP-MAT (PP (NP (D この)
(N 料理))
(P は))
(NP-SBJ *)
(ADJI おいしい)
(PU 。))
(ID 1358_misc_JSeM_beta_150530))
(8)
キムは有能だ。
( (IP-MAT (PP (NP (NPR キム))
(P は))
(NP-SBJ *)
(ADJN 有能)
(AX だ)
(PU 。))
(ID 1442_misc_JSeM_beta_150530))
(9)
メアリーは女性である。
( (IP-MAT (PP (NP (NPR メアリー))
(P は))
(NP-SBJ *)
(NP-PRD (N 女性))
(AX で)
(VB2 ある)
(PU 。))
(ID 1053_misc_JSeM_beta_150530))
原則として,IP を構成するのは述語と句レベルの構成素(語レベルの構成素ではなく)であるが,述語の核となる語(動詞, イ形容詞, ナ形容詞+コピュラ, 述語名詞句+コピュラ)の他にも,少数の他の語レベルの構成素が IP の直下に置かれることが出来る。これには,並列接続詞(CONJ),1語から成る間投詞(INTJ; 33.1節を参照),助動詞にあたる要素(VB2,PASS,AX,等),否定辞(NEG),モーダル助動詞(MD),助詞(P; 8.8節を参照)がある。
(10)
つまり、彼は、犯行時刻には、現場にいなかったわけです。
( (IP-MAT (CONJ つまり)
(PU 、)
(PP (NP;{YAMADA_661} (PRO 彼))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PU 、)
(PP (NP (N 犯行時刻))
(P に)
(P は))
(PU 、)
(PP (NP (N 現場))
(P に))
(VB い)
(NEG なかっ)
(AXD た)
(MD わけ)
(AX です)
(PU 。))
(ID 662_textbook_kisonihongo))
モーダル助動詞は決して句を投射することがない。本アノテーションでは,モーダル助動詞にはかなり自由なチャンキングを許している。しかし,単位分割に関する決定の多くは BCCWJ および CSJ の方式から引き継いだものである。
(11)
太郎は花子ぐらい背が高いかもしれない。
( (IP-MAT (PP (NP;{PERSON} (NPR 太郎))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP;{PERSON} (NPR 花子))
(P ぐらい))
(PP (NP (N 背))
(P が))
(NP-SBJ2 *が*)
(ADJI 高い)
(MD かもしれない)
(PU 。))
(ID 1612_misc_JSeM_beta_150530))
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