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この節では,コントロール環境を作らない,あるいは ATB からの照応関係を作らない節の諸類型に焦点を当てる。コントロール環境については 26節を,ATB (Across the Boad Extraction) については 27節を参照されたい。
直接,間接疑問は節のラベルでは区別されない。直接疑問文では,文全体が CP-QUE とラベル付けされ,その下に IP-SUB が現れる。
(246)
『これはどうした事か……
( (CP-QUE (-LRB- 『)
(IP-SUB (PP (NP (PRO これ))
(P は))
(NP-SBJ *)
(NP-PRD (IP-EMB (ADVP (WADV どう))
(VB し)
(AXD た))
(N 事))
(AX *))
(P か)
(PU ……))
(ID 214_aozora_Togawa-1937))
(247)
目ざましが鳴らなかったのだろうか。
( (CP-QUE (IP-SUB (PP (NP;{ALARM_CLOCK} (N 目ざまし))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 鳴ら)
(NEG なかっ)
(AXD た)
(P の)
(AX だろ)
(MD う))
(P か)
(PU 。))
(ID 53_aozora_Harada-1960_a))
文末が「か」で終わらなくとも,疑問の意味をもつ文は疑問節として扱われる。
(248)
あなた、明日の会議お出になる。
( (CP-QUE (IP-SUB (NP-SBJ;{HEARER_691} (PRO あなた))
(PU 、)
(PP (NP (PP (NP (N 明日))
(P の))
(N 会議))
(P *に*))
(VB お出)
(P に)
(VB2 なる))
(PU 。))
(ID 691_textbook_kisonihongo))
以下は間接疑問文の例である。
(249)
最後に自分に神を信仰するかと尋ねた。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (N 最後))
(P に))
(PP (NP (PRO 自分))
(P に))
(CP-THT (CP-QUE (IP-SUB (NP-SBJ *speaker*)
(PP (NP (N 神))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 信仰)
(VB0 する))
(P か))
(P と))
(VB 尋ね)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 433_aozora_Natsume-1908))
逆に,「か」が文末に現れるにもかかわらず疑問の意味を伴わない文は疑問節として扱われない。 たとえば,次節の感嘆節の例 (250) を参照されたい。
感嘆節は CP-EXL とラベル付けする。 このコーパスでは,以下の四つの構文を CP-EXL とする。
(250)
「ああ、なんと彼を愛しておられたことか」。
( (CP-EXL (-LRB- 「)
(IP-SUB (NP-SBJ *pro*)
(INTJ ああ)
(PU 、)
(ADVP (ADV なんと))
(PP (NP (PRO 彼))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 愛し)
(P て)
(VB2 おら)
(VB2 れ)
(AXD た))
(P こと)
(P か)
(-RRB- 」)
(PU 。))
(ID 986_bible_new))
(251)
こんなにうれしいことがあるなんて!
( (CP-EXL (IP-SUB (PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADVP (ADJN こんな)
(AX に))
(ADJI うれしい))
(N こと))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB ある))
(P なんて)
(PU !))
(ID 40_misc_EXAMPLE))
感嘆符がついていても,その発話が名詞句のみから構成されている場合(例:きれいな空!),CP-EXL ではなく FRAG としてラベル付けする。
命令文は IP-IMP とラベル付けする。 主語はそれが明示されていない場合でも,必ずアノテーションされる。
(252)
「助けて!
( (IP-IMP (-LRB- 「)
(NP-SBJ *hearer*)
(NP-OB1 *speaker*)
(VB 助け)
(P て)
(PU !))
(ID 198_aozora_Harada-1960_b))
(253)
君が行ってくれ。
( (IP-IMP (PP (NP (PRO 君))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 行っ)
(P て)
(VB2 くれ)
(PU 。))
(ID 293_textbook_purple_intermediate))
(254)
君はここにいなさい。
( (IP-IMP (PP (NP;{HEARER_537} (PRO 君))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP;{CURRENT_PLACE_537} (PRO ここ))
(P に))
(VB い)
(VB2 なさい)
(PU 。))
(ID 537_textbook_kisonihongo))
改まった文体では次のような形で命令文が示させることがある。このように,「IP-NML(の)+こと」「IP-REL+こと」のような形をとる命令文には,FRAG-IMP というタグを与える(FRAG については 30.12節を参照)。
(255)
(戒名と道号については「戒名」の項目を参照のこと。)
( (FRAG-IMP (-LRB- ()
(NP (PP (IP-NML (PP (NP (CONJP (NP (N 戒名))
(P と))
(NP (N 道号)))
(P について)
(P は))
(PP (NP (PP (NP (-LRB- 「)
(N 戒名)
(-RRB- 」))
(P の))
(N 項目))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 参照))
(P の))
(N こと))
(PU 。)
(-RRB- )))
(ID 11_wikipedia_KYOTO_05_BDS_00005))
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