Section 29 | ||
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本節では数量化に用いられる要素を使った様々な表現について見る。 これらの要素は3つに大別することができる: (i) 数詞を含まず,それ独自で数量化の機能を果たすもの(Q,29.1 節), (ii) 数詞を含むもの(NUMCLP のグループに分類される,29.2 節), (iii) 不定性を表す疑問詞で,助詞「も」「か」と結びついて数量化表現となるもの(29.3 節)。 以下,これらを順に見ていく。
数量を表す語(語句)の中で数詞あるいは疑問数詞を含まないものを Q(量化詞)とラベル付けする。 また,「全員」や「毎日」のような漢字複合語を QN(量化名詞)とラベル付けする(出現頻度の高い量化名詞の例は 10 節を参照)。 Q および QN は常に名詞句(NP)を投射する。 Q および QN は「ホスト」となる名詞(名詞句)と結びついて,そのホストの数量を示したり, 割合(ホストが指し示す実体全体に占める割合)を示したりする。 当該の数量表現が両者のうちどちらなのかは, (i) ホストの定性/特定性, (ii) 数量表現とホストとの統語的な関係, (iii) Q あるいは QN の性質, によって決まる。 次の例において数量を表す語「すべて」は第一目的語(NP-OB1)「宝石を」と結びついており, その結びつきは Q の投射する NP に付加された束縛情報 *OB1* により示されている。
(323)
泥棒は店から宝石をすべて奪い去った.
( (IP-MAT (PP (NP (N 泥棒))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (N 店))
(P から))
(PP (NP (N 宝石))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(NP;*OB1* (Q すべて))
(VB;{奪い去る.01} 奪い去っ)
(AXD た)
(PU .))
(ID 338_dictionary_vv-lexicon_20150226))
コーパスに出現する Q および QN のリストを次に示す:
このリストはさらに次のように分類することができる:
Q は常にホストとなる名詞の数量を示すわけではない。ときには指示対象をもつ表現の主要部となったり,副詞的表現の主要部となったりする(詳細は 29.1.5節を参照)。このような違いは,その統語的な配置(configuration)から明らかなときもあるが,必ずしもそうではない。そのため,数量を示す表現では常に,2種類のうちのどちらかの束縛情報が添えられる。Q が投射する NP がより大きな NP の一部となる場合には,Q が投射する NP には束縛情報 ‘;*’ が添えられ,それがより上位の NP の主要部である Ν の数量を表していることを示す。一方,数量を表す NP がホスト名詞句から離れた構成素の一部となり,ホストとなる名詞句が,たとえば主語名詞句(NP-SBJ)であり助詞「が」を伴う場合には,Q の投射する NP にはホストとなる名詞句を特定するための束縛情報 ‘;*SBJ*’ が添えられる。先行する主題化された NP が上位のセットを表し,Q が部分を表すとき,Q の表現は何らかの項として扱われるが,上位のセットを表す NP は項の「所有者」の位置に関係づけられ,また,ゼロ代名詞に対する特別の注釈と束縛情報が加えられる。
(324)
集合は半分が駄目だ
( (IP-MAT (PP (NP;{WHOLE_47} (N 集合))
(P は)
(P ***))
(PP (NP (PP (NP;{WHOLE_47} *pro*)
(P *の*))
(Q 半分))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(ADJN 駄目)
(AX だ))
(ID 47_misc_EXAMPLE))
Q が副詞的表現の主要部となったときは NP-MSR,NP-TMP,NP-ADV のいずれかでマークされる。 NP-ADV は,NP-MSR でも NP-TMP でもない副詞的表現に対して用いられる。
[Q + の] という形式をとる連体修飾表現には,それが指示表現か数量表現であるかにより3種類の異なる分析が可能であり, アノテーションに際してはこれらのうちの1つを選ばなくてはならない。 下の例文 (325) を見ると, 「両方のチーム」という表現は,それ自体では意味的に曖昧である。 「2つのチームの双方が」という解釈が行われる場合,Q を伴う表現は数量を示している。 「両方の個体に所属するチーム」という意味の場合は,Q を伴う表現は指示表現である。 どちらがアノテーションとして適切かということは,文脈を参照することによってはじめて決定することができる。 今問題にしている例文については,述語「攻め合う」により,「両方」が全称量化の意味をもっていると確定するのに十分な文脈が提供されている。 この用例における [Q + の] は PP;* とラベル付けされる。
(325)
両方のチームが攻め合った.
( (IP-MAT (PP (NP (PP;* (NP (Q 両方))
(P の))
(N チーム))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB;{攻め合う.01} 攻め合っ)
(AXD た)
(PU .))
(ID 1413_dictionary_vv-lexicon_20150226))
Q を含む表現が指示的である場合,「両方のチーム」の [Q + の] には ;* を付加しない: (NP (PP (NP (Q 両方) の) (N チーム))
上に例を挙げた数量を示す働きの1つの変種として,下の例のような配分的な数量表現がある。
(326)
津波の爪痕を目に焼き付け、体験談をそれぞれの地元に持ち帰る
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(IP-ADV (PP (NP (PP (NP (N 津波))
(P の))
(N 爪痕))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(PP (NP (N 目))
(P に))
(VB 焼き付け))
(PU 、)
(PP (NP (N 体験談))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(PP (NP (PP;* (NP (Q それぞれ))
(P の))
(N 地元))
(P に))
(VB 持ち帰る))
(ID 62_newswire_KAHOKU_00039_K201403130A0T10XX00001))
下記の例文には,常に部分表現として用いられる Q である「一部」が含まれている。
(327)
この音楽は一部の人々に熱狂的に支持されている。
( (IP-MAT (PP (NP (D この)
(N 音楽))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (PP;* (NP (Q 一部))
(P の))
(N 人々))
(P に))
(NP-LGS *に*)
(ADVP (ADJN 熱狂的)
(AX に))
(VB 支持)
(VB0 さ)
(PASS れ)
(P て)
(VB2 いる)
(PU 。))
(ID 57_misc_EXAMPLE))
下の例は,弱い数量表現の Q を含んでいる。 この例では,NP 全体が非特定的な指示を行っている。
(328)
空には無数の星がきらめいていた。
( (IP-MAT (PP (NP (N 空))
(P に)
(P は))
(PP (NP (PP;* (NP (Q 無数))
(P の))
(N 星))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB きらめい)
(P て)
(VB2 い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 640_textbook_TANAKA))
さらに第3の可能な分析が存在する。これは Q よりもむしろ通常は NUMCLP に見られることであるが,この場合 NUMCLP 表現は,修飾先の N のもつ数量に関連した性質を N に対して与える。例えば,野球に関連する「9人のチーム」という表現は,選手の数に関する属性をチームに対して与えている。この用法の数量表現は,IP-REL の主要部であり,(NP-PRD) (AX の) のようにアノテーションされる。
Q が,ホストとなる NP に直接後続する場合がある。この対をなす表現に対し助詞が付加されることもあり,また NP-PRD を形作ることもある。このようにして作られた NP の指示は通常特定的である。弱い数量表現の Q はこの文型に現れないようである(しかし,NUMCLP の方はかなり頻繁に見られる)。この用法の数量表現は,ホスト NP の下に PRN を置き,その下に配置される。また,束縛情報が必要な場合,それは Q の投射する NP に付与される:(NP (NP N host) (PRN (NP;* (Q quantifier))))。
(329)
初の仙台公演ではビゼーの華麗な音楽に彩られた名作「カルメン」全4幕を上演します。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(NP-PRD (N 初))
(AX の))
(N 仙台公演))
(P で)
(P は))
(PP (NP (PRN (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (NP (PP (NP (NPR ビゼー))
(P の))
(IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJN 華麗)
(AX な))
(N 音楽))
(P に))
(VB 彩ら)
(PASS れ)
(AX た))
(N 名作)))
(-LRB- 「)
(NPR カルメン)
(-RRB- 」)
(PRN (NP (Q 全)
(NUMCLP (NUM 4)
(CL 幕)))))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 上演)
(VB0 し)
(AX ます)
(PU 。))
(ID 51_newswire_KAHOKU_00061_K201403090A0KI0XX00001))
(330)
京都駅では烏丸線、近鉄線双方のホームに乗り入れている。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (NPR 京都駅))
(P で)
(P は))
(PP (NP (PP (NP (NML (CONJP (NP (NPR 烏丸線)))
(PU 、)
(NP (NPR 近鉄線)))
(PRN (N (Q 双方))))
(P の))
(N ホーム))
(P に))
(VB 乗り入れ)
(P て)
(VB2 いる)
(PU 。))
(ID 34_wikipedia_KYOTO_19_RLW_00001))
(331)
彼らはこの有刺鉄線のトゲ全部に警告サインをつけました
( (IP-MAT (PP (NP (PRO 彼ら))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (NML (PP (NP (D この)
(N 有刺鉄線))
(P の))
(N トゲ))
(PRN (NP;* (Q 全部))))
(P に))
(PP (NP (N 警告サイン))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB つけ)
(AX まし)
(AXD た))
(ID 168_translated_TED_0-SheaHembrey_2011))
遊離量化詞は,それ自体で独立した節レベルの構成素を形作ると同時に,節レベルのホスト名詞句を量化することからそう呼ばれる。 これはつねに量化を行い,そのためそれが量化する対象の NP がどれであるかを示すために ;*SBJ*, ;*OB1*, ;*に* 等の束縛情報が明記される。
基本的に,遊離量化詞は項の量化に関わっている。 また,遊離量化詞が助詞を伴うことはない。
(332)
店には、人がいっぱいいる。
( (IP-MAT (PP (NP (N 店))
(P に)
(P は))
(PU 、)
(PP (NP (N 人))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP;*SBJ* (Q いっぱい))
(VB いる)
(PU 。))
(ID 103_textbook_kisonihongo))
(333)
彼女は夫の欠点をひとつひとつ言い立てた.
( (IP-MAT (PP (NP (PRO 彼女))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (PP (NP (N 夫))
(P の))
(N 欠点))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(NP;*OB1* (Q ひとつひとつ))
(VB;{言い立てる.02} 言い立て)
(AXD た)
(PU .))
(ID 93_dictionary_vv-lexicon_20150226))
ホスト名詞句が文中に明示されていない場合は,下の例のようにゼロ代名詞によって示される。
(334)
部長が、すべてうまく行くように取り計らってくれた.
( (IP-MAT (NP-OB1 *pro*)
(PP (NP (N 部長))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(PU 、)
(PP (NP (IP-EMB (NP-SBJ *pro*)
(NP;*SBJ* (Q すべて))
(ADVP (ADV うまく))
(VB 行く))
(N よう))
(P に))
(VB;{取り計らう.01} 取り計らっ)
(P て)
(VB2 くれ)
(AXD た)
(PU .))
(ID 1977_dictionary_vv-lexicon_20150226))
(335)
『みな私の手落ちだ!――
( (IP-MAT (-LRB- 『)
(NP-SBJ *pro*)
(NP;*SBJ* (Q みな))
(NP-PRD (PP (NP (PRO 私))
(P の))
(N 手落ち))
(AX だ)
(PU !――))
(ID 220_aozora_Togawa-1937))
ゼロ代名詞の指示対象は談話の文脈から復元可能なので,その指示は特定的である。 その結果として,ゼロ代名詞のホストと関連づけられる遊離量化詞は部分表現としての解釈を帯びる。 この場合,ホストの名詞句が全体を表し,その一部分を Q 表現が表す。 「例の乾物をちょっと食べた」のように,定のホスト名詞句が明示されている場合,量化表現を伴うゼロ代名詞と同一の効果をもたらす。
弱い量化詞の Q が非特定指示のホスト名詞句と関連づけられる表現を形作る時には,ホスト名詞句の外延は量化表現によって限定される。 次の対話において,ホスト名詞句「乾物」は非特定指示であり,少量の乾物を表している。 Q: 何も無かったの? A: いや、乾物は少しあった。
ホストが特定性をもつこと, 述語が属性を描写していること, IPのレベルにおいて Q が助詞でマークされていることはそれぞれ, ホストと量化表現との間に全体と部分の読みがあると見なす十分な根拠となる。 ただし,IPのレベルにおいてQ が助詞でマークされている場合は,指示的な表現として扱われる (29.1.4 節を参照)。
特定指示のホスト名詞句,属性を付与する述語,および助詞が後接した量化詞表現のそれぞれは,ホスト名詞句と量化詞表現との間に全体-部分関係を読み取るのに十分な誘因となる。 特定指示のホスト名詞句と対をなす量化表現が主要文法役割を表示する助詞を伴う場合,量化表現は他の種類と同じ取り扱いを受け, PP の下に置かれて直接に曖昧性解消のための情報(例えば,NP-SBJ *が*)を付与される。 また,ホスト名詞句は,(P ***) と束縛情報を付与される。 これによって,ホストはゼロ代名詞の先行詞となり,(PP (NP (PP (NP;{WHOLE} *pro*)(P *の*)))) のように,ゼロ代名詞は Q の投射する NP の補部の位置に導入される。
(336)
自分たちはほとんどが次男坊ばかりですから」
( (CP-FINAL (IP-SUB (PP (NP;{WHOLE} (PRO 自分たち))
(P は)
(P ***))
(NP-TPC *)
(PP (NP (PP (NP;{WHOLE} *pro*))
(Q ほとんど))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP-PRD (N 次男坊))
(P ばかり)
(AX です))
(P から)
(-RRB- 」))
(ID 247_aozora_Hayashida-2015))
29.1.1 節で簡単に述べたように,文脈さえあれば量化詞表現を数量表現でなく独立した指示表現として扱うのに十分な根拠が与えられる。 量化詞表現の中には,それ自体が含む要素のおかげで指示表現としての解釈を受けるものがある。 弱い量化を行う量化詞が節構成素の主要部となり,限定詞(D)の修飾語または定名詞句の修飾句を取って指示が定となるものがある。 このような表現は指示表現として取り扱うことができ,それゆえ明示的要素あるいは空要素にリンクされる束縛情報は不要である。 すなわち,それらはホスト名詞句から独立しており,量化表現とは見なされない。 例えば,「若者はこれらのテーマのそれぞれに別々の章を立てている」という文において, 量化詞「それぞれ」は「の」が付加された名詞句の修飾句を取っており,これが量化表現全体を定としている。 弱い量化を行う量化詞については,コーパスの中で「の」を伴う名詞句の修飾句を取るものは「いろいろ」だけである。 他はすべて強い量化を行う量化詞である。
これらの指示的な表現には,必須項として助詞のマーキングを受ける強い傾向がある。
(337)
国内企業のすべてが週休二日制を導入している。
( (IP-MAT (PP (NP (PP (NP (N 国内企業))
(P の))
(Q すべて))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(PP (NP (N 週休二日制))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 導入)
(VB0 し)
(P て)
(VB2 いる)
(PU 。))
(ID 48_misc_JSeM_beta_150530))
節の構成素としての量化詞を伴う表現(数量詞句を伴う表現の方がより多いが)はホストの数量を示さずに, 副詞的に機能することができる。 最も典型的なのは,量化詞を伴う表現が期間,距離,度合いを示す場合である。 このような場合,束縛情報は与えられないが, Q の投射する NP は NP-ADV あるいは NP-MSR としてラベル付けされる。
(338)
尿道をつくる工程と似ていますがもう少し複雑です
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP (IP-ADV (PP (NP (IP-EMB (NP-SBJ *speaker+pro*)
(PP (NP (N 尿道))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB つくる))
(N 工程))
(P と))
(VB 似)
(P て)
(VB2 い)
(AX ます))
(P が))
(CONJ *)
(NP-ADV (ADV もう)
(Q 少し))
(ADJN 複雑)
(AX です))
(ID 86_translated_TED_9-AnthonyAtala_2009P))
(205)
私は、もう少しここで待とう、と考えていた。
( (IP-MAT (PP (NP;{SPEAKER_1088} (PRO 私))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PU 、)
(CP-THT (IP-SUB (NP-SBJ *speaker*)
(NP-MSR (ADV もう)
(Q 少し))
(PP (NP;{CURRENT_PLACE_1088} (PRO ここ))
(P で))
(VB 待と)
(MD う))
(PU 、)
(P と))
(VB 考え)
(P て)
(VB2 い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 1088_textbook_kisonihongo))
数詞(NUM)または疑問数詞(WNUM)を伴う量化表現を NUMCLP(助数詞句)とラベル付けする。 NUMCLP は典型的には NUM または WNUM と助数詞(CL)から成るが, NUM または WNUM のみから成ることもある(15 節を参照のこと)。
NUMCLP は 量化詞(Q)と同様に,常に名詞句(NP)を投射する。 NP 内で NUMCLP に先行する要素として, 後続する NUMCLP を修飾する副詞(ADV),名詞・固有名詞(N, NPR),限定詞(D),連体詞(PNL),括弧挿入句(PRN),助詞句(PP),関係節(IP-REL),空所なし名詞修飾節(IP-EMB)が挙げられる。 以下のそれぞれの例では,NUMCLP の前に ADV,N,D,Q,PP,IP-REL,IP-EMB が現れている。
(340)
ジョーンズはもう一枚の契約書に署名した。
( (IP-MAT (PP (NP (NPR ジョーンズ))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (PP;* (NP (ADV もう)
(NUMCLP (NUM 一)
(CL 枚)))
(P の))
(N 契約書))
(P に))
(VB 署名)
(VB0 し)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 1040_misc_JSeM_beta_150530))
(341)
この店は朝7時から営業している。
( (IP-MAT (PP (NP;{SHOP_219} (D この)
(N 店))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (N 朝)
(NUMCLP (NUM 7)
(CL 時)))
(P から))
(VB 営業)
(VB0 し)
(P て)
(VB2 いる)
(PU 。))
(ID 219_textbook_kisonihongo))
(342)
この3年間は消費が冷え込んでいる.
( (IP-MAT (PP (NP (D この)
(NUMCLP (NUM 3)
(CL 年間)))
(P は))
(NP-TMP *)
(PP (NP (N 消費))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB;{冷え込む.02} 冷え込ん)
(P で)
(VB2 いる)
(PU .))
(ID 2499_dictionary_vv-lexicon_20150226))
(343)
完成したマップは、A4サイズで全14ページ。
( (IP-MAT (PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(VB 完成)
(VB0 し)
(AXD た))
(N マップ))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PU 、)
(IP-ADV (NP-PRD (N A4サイズ))
(AX で))
(CONJ *)
(NP-PRD (Q 全)
(NUMCLP (NUM 14)
(CL ページ)))
(AX *)
(PU 。))
(ID 12_newswire_KAHOKU_00033_K201402110A0T30XX00001))
(344)
がらんとした旅館の一室。
( (FRAG (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (ADVP (ADV がらん))
(P と))
(VB し)
(AX た))
(PP (NP (N 旅館))
(P の))
(NUMCLP (NUM 一)
(CL 室)))
(PU 。))
(ID 20_aozora_Kajii-1925))
(345)
支援活動などに携わる4人に連載を振り返ってもらい、あらためて考える。
( (IP-MAT (NP-SBJ *speaker*)
(IP-ADV (PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (NP (N 支援活動))
(P など)
(P に))
(VB 携わる))
(NUMCLP (NUM 4)
(CL 人)))
(P に))
(NP-OB1 *に*)
(IP-SMC (PP (NP (N 連載))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 振り返っ)
(P て))
(VB もらい))
(PU 、)
(ADVP (ADV あらためて))
(VB 考える)
(PU 。))
(ID 6_newswire_KAHOKU_00055_K201406190A0T10XX00201))
(346)
各店も対策に追われる1年になるだろう。
( (IP-MAT (PP (NP (QN 各店))
(P も))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (IP-EMB (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (N 対策))
(P に))
(NP-LGS *に*)
(VB 追わ)
(PASS れる))
(NUMCLP (NUM 1)
(CL 年)))
(P に))
(NP-OB1 *に*)
(VB なる)
(MD だろう)
(PU 。))
(ID 62_newswire_KAHOKU_00113_K201401010A0F90XX00001))
NUMCLP を含む句の直接前に名詞(句)が現れて,それが NUMCLP のホストである場合については 29.2.2節を参照。
NP 内で NUMCLP に後続する主な要素は,NUMCLP によって修飾される N および NPR である。 この位置にしばしば現れる名詞に次のようなものがある:
(347)
太郎は5時前に帰宅した。
( (IP-MAT (PP (NP;{PERSON} (NPR 太郎))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (NUMCLP (NUM 5)
(CL 時))
(N 前))
(P に))
(VB 帰宅)
(VB0 し)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 1533_misc_JSeM_beta_150530))
(348)
一年分の日記を見返した.
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (PP;* (NP (NUMCLP (NUM 一)
(CL 年))
(N 分))
(P の))
(N 日記))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB;{見返す.02} 見返し)
(AXD た)
(PU .))
(ID 3018_dictionary_vv-lexicon_20150226))
コーパス内では上記のリストに挙げた以外にも,次のような名詞が NUMCLP の直後に現れている。 つまり,実際のところ,この位置には様々な N が現れ得る。
(349)
札は十円札らしい。
( (IP-MAT (PP (NP (N 札))
(P は))
(NP-SBJ *)
(NP-PRD (NUMCLP (NUM 十)
(CL 円))
(N 札))
(AX *)
(MD らしい)
(PU 。))
(ID 508_aozora_Natsume-1908))
(350)
花子は一次試験に合格しただけだった。
( (IP-MAT (PP (NP;{HANAKO_804} (NPR 花子))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (IP-ADV (PP (NP (NUMCLP (NUM 一)
(CL 次))
(N 試験))
(P に))
(VB 合格)
(VB0 し)
(AXD た))
(P だけ))
(NP-PRD *)
(AX だっ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 804_textbook_kisonihongo))
NUMCLP が投射する NP は,並列句(CONJP)を構成することがある。 以下の最初の例では NUMCLP を支配する NP に並列助詞「か」が続いている。 次の例では並列助詞なしで NUMCLP を支配する NP が P 抜きの CONJP の下にある。
(351)
たとえばこのあいだも二晩か三晩かかって小さな額ぶちをつくりました。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(ADVP (ADV たとえば))
(PP (NP (D この)
(N あいだ))
(P も))
(NP-TMP *)
(IP-ADV (NP-SBJ *pro*)
(NP-MSR (CONJP (NP (NUMCLP (NUM 二)
(CL 晩)))
(P か))
(NP (NUMCLP (NUM 三)
(CL 晩))))
(VB かかっ)
(P て))
(CONJ *)
(PP (NP (PNL 小さな)
(N 額ぶち))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB つくり)
(AX まし)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 196_aozora_Harada-1960_a))
(352)
自分はこう云う風に一つ二つと勘定して行くうちに、赤い日をいくつ見たか分らない。
( (IP-MAT (PP (NP (PRO 自分))
(P は))
(NP-SBJ *)
(CP-QUE (IP-SUB (NP-SBJ *speaker*)
(PP (NP (IP-EMB (NP-OB1 *pro*)
(PP (NP (D こう云う)
(N 風))
(P に))
(PP (NP (CONJP (NP (NUMCLP (NUM 一)
(CL つ))))
(NP (NUMCLP (NUM 二)
(CL つ))))
(P と))
(VB 勘定)
(VB0 し)
(P て)
(VB2 行く))
(N うち))
(P に))
(PU 、)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJI 赤い))
(N 日))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(NP;*OB1* (NUMCLP (WNUM いく)
(CL つ)))
(VB 見)
(AXD た))
(P か))
(VB 分ら)
(NEG ない)
(PU 。))
(ID 64_aozora_Natsume-1908))
NUMCLP が連続して出現しても並列句として分析できない場合は,同一の NP 内で姉妹の関係にあるものと見なす。
(353)
さわやかな九月一日の朝でした。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(NP-PRD (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJN さわやか)
(AX な))
(PP (NP (NUMCLP (NUM 九)
(CL 月))
(NUMCLP (NUM 一)
(CL 日)))
(P の))
(N 朝))
(AX でし)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 16_aozora_Miyazawa-1934_a))
(354)
六時半にW君が来た。
( (IP-MAT (PP (NP (NUMCLP (NUM 六)
(CL 時))
(NUMCLP (NUM 半)))
(P に))
(PP (NP (NPR W君))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 来)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 111_aozora_Dazai-1-1940))
(355)
「それを一枚一枚はがして、貧しい人にあげなさい。
( (IP-IMP (-LRB- 「)
(NP-SBJ *hearer*)
(PP (NP (PRO それ))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(IP-ADV (NP;*OB1* (NUMCLP (NUM 一)
(CL 枚))
(NUMCLP (NUM 一)
(CL 枚)))
(VB はがし)
(P て))
(CONJ *)
(PU 、)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJI 貧しい))
(N 人))
(P に))
(VB あげ)
(VB2 なさい)
(PU 。))
(ID 271_aozora_Yuki-1-2000))
NUMCLP の投射する NP が「の」を伴って連体修飾を行うとき、 NP とそれによって修飾される N とが結ぶ関係に応じて、 3つの分析が可能である ( [Q + の] による連体修飾 (29.1.1節) も参照されたい)。
1つめは,NUMCLP の投射する NP が N の具体的な数量を表す場合である。 このとき,「の」は P として PP を投射し,また,PP には束縛情報 ;* を添える。
(356)
二人の剣豪はお互いに剣を突き返した.
( (IP-MAT (PP (NP (PP;* (NP (NUMCLP (NUM 二人)))
(P の))
(N 剣豪))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (PRO お互い))
(P に))
(PP (NP (N 剣))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB;{突き返す.02} 突き返し)
(AXD た)
(PU .))
(ID 1660_dictionary_vv-lexicon_20150226))
次の例では,NUMCLP の投射する NP が cardinality (集合の要素の個数) ではなく,proportion(割合)を示している。
(357)
岩手と宮城が持ち直しつつあるものの、各県とも5~7割の企業が震災前の水準を回復しておらず厳しい状況が続く。
( (IP-MAT (PP (IP-ADV (PP (NP (CONJP (NP (NPR 岩手))
(P と))
(NP (NPR 宮城)))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 持ち直し)
(AX つつある))
(P ものの))
(SCON *)
(PU 、)
(PP (NP (QN 各県))
(P とも))
(NP-LOC *)
(IP-ADV (PP (NP (PP;* (NP (NUMCLP (NUM 5~7)
(CL 割)))
(P の))
(N 企業))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(PP (NP (PP (NP (N 震災前))
(P の))
(N 水準))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 回復)
(VB0 し)
(P て)
(VB2 おら)
(NEG ず))
(CONJ *)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJI 厳しい))
(N 状況))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 続く)
(PU 。))
(ID 14_newswire_KAHOKU_00090_K201403040A0T10XX00001))
(358)
この1956年にアメリカで行われた調査では30%の人が人生が非常に幸せだと答えています
( (IP-MAT (PP (NP (D この)
(IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (NP (NUMCLP (NUM 1956)
(CL 年)))
(P に))
(PP (NP (NPR アメリカ))
(P で))
(VB 行わ)
(PASS れ)
(AXD た))
(N 調査))
(P で)
(P は))
(PP (NP (PP;* (NP (NUMCLP (NUM 30)
(CL %)))
(P の))
(N 人))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(CP-THT (IP-SUB (PP (NP (N 人生))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(ADVP (ADJN 非常)
(AX に))
(ADJN 幸せ)
(AX だ))
(P と))
(VB 答え)
(P て)
(VB2 い)
(AX ます))
(ID 21_translated_TED_3-MihalyCsikszentmihalyi_2004))
2つめは,NUMCLP の投射する NP が N の大きさ,順序など何らかの属性を表す場合である。 このときは,NUMCLP を NP-PRD の主要部とし, 「の」を IP-REL あるいは IP-EMB の主要部に相当するコピュラ(AX)として分析する。
(359)
すべての四本足の哺乳類は四本足の動物だ。
( (IP-MAT (PP (NP (PP;* (NP (Q すべて))
(P の))
(IP-REL (NP-SBJ *T*)
(NP-PRD (NUMCLP (NUM 四)
(CL 本))
(N 足))
(AX の))
(N 哺乳類))
(P は))
(NP-SBJ *)
(NP-PRD (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(NP-PRD (NUMCLP (NUM 四)
(CL 本))
(N 足))
(AX の))
(N 動物))
(AX だ)
(PU 。))
(ID 1323_misc_JSeM_beta_150530))
(360)
不意に第二のアイディアが起こった。
( (IP-MAT (ADVP (ADJN 不意)
(AX に))
(PP (NP (PP (NP (NUMCLP (NUM 第二)))
(P の))
(N アイディア))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 起こっ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 134_aozora_Kajii-1925))
(361)
組織の損傷が1cm以上の場合どうすれば良いのでしょうか?
( (CP-QUE (IP-SUB (NP-SBJ *speaker+pro*)
(NP-TMP (IP-EMB (PP (NP (PP (NP (N 組織))
(P の))
(N 損傷))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP-PRD (NUMCLP (NUM 1)
(CL cm))
(N 以上))
(AX の))
(N 場合))
(ADVP (WADV どう))
(VB すれ)
(MD ば良い)
(P の)
(AX でしょ)
(MD う))
(P か)
(PU ?))
(ID 63_translated_TED_9-AnthonyAtala_2009P))
3つめは,NUMCLP の投射する NP が何らかの指示対象をもつ場合である。 このとき,「の」は P として PP を投射する。 この点は1つめの分析と同じである。 ただし,指示対象をもつ場合には PP に束縛情報を付加することはない。
(362)
運命が二人の仲を引き裂いた.
( (IP-MAT (PP (NP (N 運命))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(PP (NP (PP (NP (NUMCLP (NUM 二人)))
(P の))
(N 仲))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB;{引き裂く.02} 引き裂い)
(AXD た)
(PU .))
(ID 2537_dictionary_vv-lexicon_20150226))
(363)
自分はその一つの前へ来て腰をおろした。
( (IP-MAT (PP (NP (PRO 自分))
(P は))
(NP-SBJ *)
(IP-ADV (PP (NP (PP (NP (D その)
(NUMCLP (NUM 一)
(CL つ)))
(P の))
(N 前))
(P へ))
(VB 来)
(P て))
(CONJ *)
(PP (NP (N 腰))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB おろし)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 458_aozora_Natsume-1908))
(364)
二月十七日の晩であった。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(NP-PRD (PP (NP (NUMCLP (NUM 二)
(CL 月))
(NUMCLP (NUM 十七)
(CL 日)))
(P の))
(N 晩))
(AX で)
(VB2 あっ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 28_aozora_Mori-1912))
この場合,名詞と同種類の修飾句を取ることができる。
(365)
連携する13団体の多様な視点も反映された。
( (IP-MAT (PP (NP (PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(VB 連携)
(VB0 する))
(NUMCLP (NUM 13)
(CL 団体)))
(P の))
(IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJN 多様)
(AX な))
(N 視点))
(P も))
(NP-SBJ *)
(VB 反映)
(VB0 さ)
(PASS れ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 41_newswire_KAHOKU_00033_K201402110A0T30XX00001))
NP(又は NML)の直後に NUMCLPにより投射される NP が後続し,文法役割を示す助詞が付くとき, その NP 同士は同格関係をなす。 この場合には後者(NUMCLP)を PRN の下に置く。
(366)
ポルトガルの代表者数人が主要な全国紙に結果を発表した。
( (IP-MAT (PP (NP (PP (NP (NPR ポルトガル))
(P の))
(N 代表者)
(PRN (NP;* (NUMCLP (NUM 数)
(CL 人)))))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJN 主要)
(AX な))
(N 全国紙))
(P に))
(PP (NP (N 結果))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 発表)
(VB0 し)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 773_misc_JSeM_beta_150530))
(367)
宮城県内外の自治体職員や企業の防災担当者ら40人が参加。
( (IP-MAT (PP (NP (PP (NP (N 宮城県内外))
(P の))
(NML (CONJP (NP (N 自治体職員))
(P や))
(NP (PP (NP (N 企業))
(P の))
(N 防災担当者)))
(N ら)
(PRN (NP;* (NUMCLP (NUM 40)
(CL 人)))))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 参加)
(PU 。))
(ID 12_newswire_KAHOKU_00034_K201404110A0T30XX00001))
(368)
関ヶ原の戦いの翌年1601年、政宗は新たな居城仙台城を築城すると、仙台の地に人口約5万人の城下町を築いた。
( (IP-MAT (NP-TMP (PP (NP (NPR 関ヶ原の戦い))
(P の))
(N 翌年)
(PRN (NP (NUMCLP (NUM 1601)
(CL 年)))))
(PU 、)
(PP (NP (NPR 政宗))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (IP-ADV (PP (NP (PRN (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJN 新た)
(AX な))
(N 居城)))
(NPR 仙台城))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 築城)
(VB0 する))
(P と))
(SCON *)
(PU 、)
(PP (NP (PP (NP (NPR 仙台))
(P の))
(N 地))
(P に))
(PP (NP (PP (NP (N 人口)
(PRN (NP;* (NUMCLP (NUM 約5万)
(CL 人)))))
(P の))
(N 城下町))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 築い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 117_wikipedia_Sendai_City))
NUMCLP の直後に括弧で囲まれた NUMCLP があるときは,後者を投射する NP を PRN とする。
(369)
1926年(大正15年)に仙台市電が開業した。
( (IP-MAT (PP (NP (NUMCLP (NUM 1926)
(CL 年)
(PRN (-LRB- ()
(NP (NPR 大正)
(NUMCLP (NUM 15)
(CL 年)))
(-RRB- )))))
(P に))
(PP (NP (NPR 仙台市電))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 開業)
(VB0 し)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 157_wikipedia_Sendai_City))
NUMCLP は遊離して出現することがある。 その場合は,NUMCLP の投射する NP にホストとなる NP の束縛情報を付加する。 次の例ではいずれも,ホストNPの文法役割を表す束縛情報 *SBJ* あるいは *OB1* が添加されることにより, 助数詞句とホスト名詞句とが結びつけられている。
(370)
台所にお酒が二升あった。
( (IP-MAT (PP (NP (N 台所))
(P に))
(PP (NP;{DAZAI_LIQUOR_2_SHO} (N お酒))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP;*SBJ* (NUMCLP (NUM 二)
(CL 升)))
(VB あっ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 103_aozora_Dazai-1-1940))
(371)
傍らにあるタンブラーには、枯れたスミレが一束刺してある。
( (IP-MAT (PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (NP (N 傍ら))
(P に))
(VB ある))
(N タンブラー))
(P に)
(P は))
(PU 、)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(VB 枯れ)
(AX た))
(N スミレ))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP;*SBJ* (NUMCLP (NUM 一)
(CL 束)))
(VB 刺し)
(P て)
(PASS *)
(VB2 ある)
(PU 。))
(ID 174_aozora_Yuki-1-2000))
(372)
中国政府は為替レートを2%引き下げた.
( (IP-MAT (PP (NP (N 中国政府))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (N 為替レート))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(NP;*OB1* (NUMCLP (NUM 2)
(CL %)))
(VB;{切りさげる.01} 引き下げ)
(AXD た)
(PU .))
(ID 925_dictionary_vv-lexicon_20150226))
以下は,NUMCLP の ホストとなる名詞句が明示的に現れず,ゼロ代名詞として示された例である。
(373)
するとまた一匹あらわれた。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(CONJ すると)
(ADVP (ADV また))
(NP;*SBJ* (NUMCLP (NUM 一)
(CL 匹)))
(VB あらわれ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 619_aozora_Natsume-1908))
以下の例では,遊離量化詞がホストに先行して現れている:
(374)
しかしその海岸一帯には、たくさん不思議な事が見聞きされる。
( (IP-MAT (CONJ しかし)
(PP (NP (D その)
(N 海岸一帯))
(P に)
(P は))
(PU 、)
(NP;*SBJ* (Q たくさん))
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJN 不思議)
(AX な))
(N 事))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 見聞き)
(VB0 さ)
(PASS れる)
(PU 。))
(ID 9_aozora_Togawa-1937))
(375)
彼ら三人しか客が乗っていない電車には、暖かい陽がふり注いでいた。
( (IP-MAT (PP (NP (IP-REL (PP (NP *T*)
(P *に*))
(PP;*SBJ* (NP (PRO 彼ら)
(NUMCLP (NUM 三)
(CL 人)))
(P しか))
(PP (NP (N 客))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 乗っ)
(P て)
(VB2 い)
(NEG ない))
(N 電車))
(P に)
(P は))
(PU 、)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJI 暖かい))
(N 陽))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB ふり注い)
(P で)
(VB2 い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 210_aozora_Harada-1960_f))
(376)
「もう一つルビーを持っていきましょうか」
( (CP-QUE (-LRB- 「)
(IP-SUB (NP-SBJ *speaker*)
(NP;*OB1* (ADV もう)
(NUMCLP (NUM 一)
(CL つ)))
(PP (NP (N ルビー))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 持っ)
(P て)
(VB2 いき)
(AX ましょ)
(MD う))
(P か)
(-RRB- 」))
(ID 181_aozora_Yuki-1-2000))
遊離した NUMCLP は,ホスト NP の部分を表す場合がある。 このときの NUMCLP は助詞によってマークされ文法的な役割をもつ項(指示対象をもつもの)であるが, この NUMCLP は全体あるいは上位集合を示すホストと共に現れ,その部分を示す。
(377)
県内で48店舗を持つ同生協は、被害が大きかった2店が閉店した。
( (IP-MAT (PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (NP (N 県内))
(P で))
(PP (NP (NUMCLP (NUM 48)
(CL 店舗)))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 持つ))
(N 同生協))
(P は))
(NP-TPC *)
(PU 、)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (NP (N 被害))
(P が))
(NP-SBJ2 *が*)
(ADJI 大きかっ)
(AXD た))
(NUMCLP (NUM 2)
(CL 店)))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 閉店)
(VB0 し)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 19_newswire_KAHOKU_00039_K201403130A0T10XX00001))
(378)
製造業は14業種のうち11業種、非製造業は12業種のうち9業種が上向いた。
( (IP-MAT (IP-ADV (PP (NP (N 製造業))
(P は))
(NP-TPC *)
(NP-ADV (PP (NP (NUMCLP (NUM 14)
(CL 業種)))
(P の))
(N うち))
(PP (NP (NUMCLP (NUM 11)
(CL 業種)))
(P *が*))
(NP-SBJ *が*))
(PU 、)
(PP (NP (N 非製造業))
(P は))
(NP-TPC *)
(NP-ADV (PP (NP (NUMCLP (NUM 12)
(CL 業種)))
(P の))
(N うち))
(PP (NP (NUMCLP (NUM 9)
(CL 業種)))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 上向い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 15_newswire_KAHOKU_00113_K201401010A0F90XX00001))
部分を表す遊離量化 NUMCLP が主語以外の主要項であるケースは少ないが,コーパス内に見出すことができる。
(379)
広域防災拠点は、総合運動場、仙台医療センター、仙台貨物ターミナル駅の計43ヘクタールを一体的に整備。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP;*OB1* (NP (N 広域防災拠点))
(P は))
(PU 、)
(PP (NP (PP (NP (CONJP (NP;{FAC} (NPR 総合運動場)))
(PU 、)
(CONJP (NP;{FAC} (NPR 仙台医療センター)))
(PU 、)
(NP;{FAC} (NPR 仙台貨物ターミナル駅)))
(P の))
(NUMCLP (NUM 計43)
(CL ヘクタール)))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(ADVP (ADJN 一体的)
(AX に))
(VB 整備)
(PU 。))
(ID 69_newswire_KAHOKU_00078_K201401010A0FZ0XX00002))
これらは文法役割をもっており,指示表現である。
(380)
2人は口をそろえる。
( (IP-MAT (PP (NP (NUMCLP (NUM 2人)))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (N 口))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB そろえる)
(PU 。))
(ID 55_newswire_KAHOKU_00039_K201403130A0T10XX00001))
(381)
アンケートは県内の沿岸自治体15市町の245校を対象に実施した。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (N アンケート))
(P は))
(NP-OB1 *)
(IP-ADV (PP (NP (PP (NP (PP (NP (N 県内))
(P の))
(N 沿岸自治体)
(NUMCLP (NUM 15)
(CL 市町)))
(P の))
(NUMCLP (NUM 245)
(CL 校)))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(PP (NP (N 対象))
(P に))
(NP-OB2 *に*))
(VB 実施)
(VB0 し)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 24_newswire_KAHOKU_02275_K201401010A0A30XX00001))
(382)
本年度は2月1日から3月10日まで計約1800人が参加した。
( (IP-MAT (PP (NP (N 本年度))
(P は))
(NP-TMP *)
(PP (NP (NUMCLP (NUM 2)
(CL 月))
(NUMCLP (NUM 1)
(CL 日)))
(P から))
(PP (NP (NUMCLP (NUM 3)
(CL 月))
(NUMCLP (NUM 10)
(CL 日)))
(P まで))
(PP (NP (N 計)
(NUMCLP (NUM 約1800)
(CL 人)))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 参加)
(VB0 し)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 61_newswire_KAHOKU_00039_K201403130A0T10XX00001))
NUMCLP を主要部とする NP はしばしば副詞的に機能する。 以下は,このような NP が期間・頻度を表す副詞(NP-MSR)として機能した例である。
(383)
スミスは2年間バーミンガムに住んだ。
( (IP-MAT (PP (NP (NPR スミス))
(P は))
(NP-SBJ *)
(NP-MSR (NUMCLP (NUM 2)
(CL 年間)))
(PP (NP (NPR バーミンガム))
(P に))
(VB 住ん)
(AXD だ)
(PU 。))
(ID 1724_misc_JSeM_beta_150530))
以下は他のタイプの副詞的 NUMCLP の例である。
(384)
全国平均を5.3ポイント下回った。
( (IP-MAT (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (QN 全国平均))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(NP-ADV (NUMCLP (NUM 5.3)
(CL ポイント)))
(VB 下回っ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 22_newswire_KAHOKU_00113_K201401010A0F90XX00001))
(385)
建物は本来の場所から50メートルも動き、約150度回転していた。
( (IP-MAT (PP (NP (N 建物))
(P は))
(NP-SBJ *)
(IP-ADV (PP (NP (PP (NP (N 本来))
(P の))
(N 場所))
(P から))
(PP (NP (NUMCLP (NUM 50)
(CL メートル)))
(P も))
(NP-ADV *)
(VB 動き))
(PU 、)
(NP-ADV (NUMCLP (NUM 約150)
(CL 度)))
(VB 回転)
(VB0 し)
(P て)
(VB2 い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 18_newswire_KAHOKU_00184_K201406140A0T10XX00001))
(386)
「一般的に言うと累積雨量が200ミリ以上降ると危険度は上がる。
( (IP-MAT (-LRB- 「)
(PP (IP-ADV (NP-SBJ *arb*)
(ADVP (ADJN 一般的)
(AX に))
(VB 言う))
(P と))
(CND *)
(PP (IP-ADV (PP (NP (N 累積雨量))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP-ADV (NUMCLP (NUM 200)
(CL ミリ))
(N 以上))
(VB 降る))
(P と))
(CND *)
(PP (NP (N 危険度))
(P は))
(NP-SBJ *)
(VB 上がる)
(PU 。))
(ID 75_newswire_KAHOKU_00184_K201406140A0T10XX00001))
疑問詞(すなわち,疑問代名詞(WPRO), 疑問限定詞(WD),疑問副詞(WADV),および疑問数詞(WNUM))を含む表現は助詞「か」または「も」を伴って,量化に関わる表現を形作る。便宜のためにこれらを W 表現と呼ぶことにする。W 表現には遊離数量詞としての用法があることに注意すること。
(387)
社員が誰か移動を希望している。
( (IP-MAT (PP (NP (N 社員))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP;*SBJ* (WPRO 誰)
(P か))
(PP (NP (N 移動))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 希望)
(VB0 し)
(P て)
(VB2 いる)
(PU 。))
(ID 27_misc_JSeM_beta_150530))
(388)
試験に通りさえすれば、何も問題はない。
( (IP-MAT (IP-ADV (NP-SBJ;{MAN_830} *pro*)
(PP (NP (N 試験))
(P に))
(VB 通り)
(P さえ)
(VB2 すれ)
(P ば))
(CND *)
(PU 、)
(NP;*SBJ* (WPRO 何)
(P も))
(PP (NP (N 問題))
(P は))
(NP-SBJ *)
(ADJI ない)
(PU 。))
(ID 830_textbook_kisonihongo))
W 表現において,助詞「か」「も」は,上記の (387) のように疑問詞に隣接して現れることが多い。 その場合,助詞「か」「も」は NP の下で疑問詞の姉妹の位置に出現する(8.12 節の議論を参照のこと)。
しかしながら,助詞「か」「も」は,構文的にかなり隔った位置から疑問詞と結び付き,様々なカテゴリーの W 表現を作ることができる。以下にその様々な例を示す。
W 表現が「も」を伴う場合,表現全体は譲歩(自由選択)という量化の働きを行う。下の例文 (389) では,助詞「も」は IP-ADV に付加され, 疑問詞はその主語となっている。
(389)
鼓は誰が打っても鳴りませんでしたが、天鼓の父・王伯が打ったところ、妙なる音色が鳴り響きました。
( (IP-MAT (PP (IP-ADV (PP (NP (N 鼓))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (IP-ADV (NP-OB1 *pro*)
(PP (NP (WPRO 誰))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 打っ)
(P て))
(P も))
(CND *)
(VB 鳴り)
(AX ませ)
(NEG ん)
(AX でし)
(AXD た))
(P が))
(CONJ *)
(PU 、)
(PP (IP-ADV (PP (NP;{PERSON} (PRN (NP (PP (NP;{PERSON} (NPR 天鼓))
(P の))
(N 父)))
(PU ・)
(NPR 王伯))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 打っ))
(P たところ))
(CND *)
(PU 、)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(ADJN 妙)
(AX なる))
(N 音色))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(VB 鳴り響き)
(AX まし)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 20_newswire_KAHOKU_00042_K201402120A0KI0XX00001))
(390) では,助詞「も」は PP に後接し,疑問詞は補部の主要部となっている。
(390)
津波は誰にも止められない。
( (IP-MAT (PP (NP (N 津波))
(P は))
(NP-OB1 *)
(PP (NP (WPRO 誰))
(P に)
(P も))
(NP-SBJ *に*)
(VB 止め)
(VB2 られ)
(NEG ない)
(PU 。))
(ID 57_newswire_KAHOKU_00063_K201401110A0T10XX00001))
(391) では,助詞「も」は直接疑問詞に付加されている。
(391)
会計士は誰も会議に出席しなかった。
( (IP-MAT (PP (NP (N 会計士))
(P は))
(NP-SBJ *)
(NP;*SBJ* (WPRO 誰)
(P も))
(PP (NP (N 会議))
(P に))
(VB 出席)
(VB0 し)
(NEG なかっ)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 1024_misc_JSeM_beta_150530))
「も」を伴うW表現が否定のスコープ内に無い場合でも,譲歩の量化的意味は有効である。
(392)
彼は、過去の失恋をいつまでも引きずっている.
( (IP-MAT (PP (NP (PRO 彼))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PU 、)
(PP (NP (PP (NP (N 過去))
(P の))
(N 失恋))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(PP (NP (WPRO いつ))
(P まで)
(P も))
(VB;{引きずる.04} 引きずっ)
(P て)
(VB2 いる)
(PU .))
(ID 2562_dictionary_vv-lexicon_20150226))
下記の例文 (393) のように否定のスコープ内に無いとき,主要文法役割をもつ疑問詞プラス「も」に対しては格助詞が後接するのに対し,否定文では格助詞による表示が行われないことに注意すること。
(393)
ヨーロッパ人の誰もがヨーロッパの中を自由に移動できる。
( (IP-MAT (PP (NP (PP (NP (N ヨーロッパ人))
(P の))
(WPRO 誰)
(P も))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(PP (NP (PP (NP (NPR ヨーロッパ))
(P の))
(N 中))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(ADVP (ADJN 自由)
(AX に))
(VB 移動)
(VB0 できる)
(PU 。))
(ID 295_misc_JSeM_beta_150530))
譲歩の量化的意味をもつ「W 表現+も」は名詞の前に置かれることはない。
しかし,以下の「いくつもの」は存在(存在量化?)の解釈を受けるので,名詞の前に置くことができる。このような構造では「も」は「予測を超えた」という意味をもつ。
(394)
いくつもの支流に分かれ、ある流れは消えて行き、その流れのいくつかが7世紀から現在まで伝わっている。
( (IP-MAT (IP-ADV (IP-ADV (NP-SBJ *pro*)
(PP (NP (PP;* (NP (NUMCLP (WNUM いく)
(CL つ)))
(P も)
(P の))
(N 支流))
(P に))
(VB 分かれ))
(PU 、)
(PP (NP (D ある)
(N 流れ))
(P は))
(NP-SBJ *)
(VB 消え)
(P て)
(VB2 行き))
(PU 、)
(PP (NP (PP (NP (D その)
(N 流れ))
(P の))
(NUMCLP (WNUM いく)
(CL つ)))
(P か)
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(PP (NP (NUMCLP (NUM 7)
(CL 世紀)))
(P から))
(PP (NP (N 現在))
(P まで))
(VB 伝わっ)
(P て)
(VB2 いる)
(PU 。))
(ID 28_wikipedia_KYOTO_02_BDS_00002))
W表現が「か」を伴う場合,全体で不定指示の存在量化的な働きをする。ここでも「か」による表示は直接疑問詞に対してなされることも,より広いカテゴリーに対してなされることもある。ただし,後者の構文はまれで,固定表現に限られるようである。また,複数回助詞が組合わされた「なにもかも」のような用法があり,譲歩としての解釈を受ける。
(395)
大家族でにぎやかだった正月は、いつの間にか夫と二人きりになっていた。
( (IP-MAT (NP-SBJ *speaker*)
(PP (NP (IP-REL (NP-SBJ *T*)
(PP (NP (N 大家族))
(P で))
(ADJN にぎやか)
(AX だっ)
(AXD た))
(N 正月))
(P は))
(NP-TMP *)
(PU 、)
(PP (NP (PP (NP (WPRO いつ))
(P の))
(N 間))
(P に)
(P か))
(PP (NP (PP (NP (PP (NP (N 夫))
(P と))
(NUMCLP (NUM 二人)))
(P きり)))
(P に))
(NP-OB1 *に*)
(VB なっ)
(P て)
(VB2 い)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 11_newswire_KAHOKU_10414_K201401010A0LB0XX00006))
(396)
車が何台か、猛スピードで追い越しました。
( (IP-MAT (NP-OB1 *speaker*)
(PP (NP (N 車))
(P が))
(NP-SBJ *が*)
(NP;*SBJ* (NUMCLP (WNUM 何)
(CL 台))
(P か))
(PU 、)
(PP (NP (N 猛スピード))
(P で))
(VB 追い越し)
(AX まし)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 83_newswire_KAHOKU_00046_K201403110A0T30XX00001))
(397)
なぜか外国人集団はそこら中に小銭を投げ入れてました。
( (IP-MAT (PP (ADVP (WADV なぜ))
(P か))
(PP (NP (N 外国人集団))
(P は))
(NP-SBJ *)
(PP (NP (PRO そこら)
(N 中))
(P に))
(PP (NP (N 小銭))
(P を))
(NP-OB1 *を*)
(VB 投げ入れ)
(P て)
(AX まし)
(AXD た)
(PU 。))
(ID 10_blog_KNB_12_006_Kyoto))
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